がんの腸内細菌とは?監修医師が解説

がんにならない腸内環境とはがんと腸内細菌

澤田先生

監修

澤田彰史(東京警察病院医師、日本抗加齢医学会専門医)

がん

近年、腸内フローラの状態ががん治療の効果を高めるという論文が発表され、注目が高まっています。腸内環境を改善することで、免疫療法の効果をさらにアップさせるとされ、今も様々な研究が進められています。

がん治療のなかで研究の進む「免疫療法」の効果の有無は、腸内環境にかかっている

がん治療にも有効に働いてくれる★免疫細胞を作り出す腸内細菌の働き

がんの治療法には、現在いくつかの方法が提示されています。外科的手術、放射線治療、抗がん剤治療、先進医療等々…。その中でも注目度が高く、研究が進められているのが「免疫療法」です。この治療法は、がんを攻撃する作用を持った「キラーT細胞」という免疫細胞を利用して、症状を改善させていくものです。

以前は効果についてあまり期待されていなかった治療法なのですが、近年では研究が進み効果も高まってきていることから、さらに注目されるようになってきました。実は、体の免疫細胞の多くは、腸内で作られています。そのため、この免疫療法の効果をさらに高めるためには、腸内環境を整えることが有効なのではないかと、言われてきているのです。

腸内環境の悪化でがんの発症リスクが高まる~がんと悪玉菌の関係性

悪玉菌が増殖して腸内環境が悪化している人は、大腸ガン等になりやすいのはなぜ?

腸内環境の改善は、免疫療法の効果を高めることに繋がるとされ、今とても注目されています。しかし、腸内細胞が及ぼすがんに対する影響は、実はこれだけではありません。がんの発症にも、腸内細菌が大きく影響しているのです。腸内フローラのバランスが崩れ悪玉菌が増殖してしまうと、腸内には便やガスなどの腐敗物質が溜っていくようになります。

すると、体には有害なものが充満するようになり、そこから大腸がんや肺がんといった重篤な病気に移行してしまうことが指摘されているのです。こうしたことからもわかる通り、腸内環境を改善していくことは、がんに対する免疫療法の効果をアップさせるだけではなく、そもそも発症すること自体を防ぐ効果も期待できるのです。

40歳をターニングポイントとして大腸がん患者増加

厚生労働省統計では、40歳を越えると大腸がん患者が増加するという結果が出ています。35~39歳の人の発見率よりも、40~44歳の人の発見率が2倍も多くなっているのです。この結果から、40歳をターニングポイントに、大腸がんの発生率が上がっていることがわかります。

40歳というと、男女ともに働き盛りの人が多い年代です。大腸がんの検査は企業の検診に組み込まれていることが多いので、働いている人は、職場の検診を受けて、早期発見できることもあるでしょう。また、年々増えている大腸がんに伴い、一般の人向けの検診も増加しているため、企業に勤めていない人でも気軽に受けられるようになっています。

毎年検診を受けて、腸の健康状態を確認することは大腸がんの検査にも繋がるので、定期検診はちゃんと受けましょう。


ただの便秘?ほかの病気が隠れている可能性も

便秘になるのは特別なことではないので、あまり危機感を持たない人が多いでしょう。しかし、単なる便秘だと思っていたら、大腸がんをはじめさまざまな病気が隠れている場合があります。

大腸がんの原因ははっきりとはわかっていませんが、便秘を引き起こす原因である腸内環境の悪化が影響しているのではないかといわれています。腸内環境が悪化すればするほど、大腸がんを始めとする病気に影響を与えるようです。 また、便秘によって、老廃物が腸内に長時間とどまることががんの発生に関係しているかもしれないとも考えられています。

そのほか、肉類やアルコールの過剰摂取、肥満、運動不足、野菜・果物不足といった便秘の原因が大腸がんの要因とリンクする面も腸内環境との関係が挙げられることに繋がっているのでしょう。便秘と大腸がんは無関係ではないので、便秘を解消して健康的な腸を維持することが、大腸がんの予防にも繋がると考えて良さそうです。


大腸がんリスクを高める「肉」「アルコール」「肥満」に注意

米国がん研究財団と世界がん研究基金は、「肉」「アルコール」「肥満」の3つが大腸がんのリスクを高める原因になっていると報告しています。 これらは日常的に摂っているという人がほとんどだと思いますが、この3つを摂取したからといってすぐに大腸がんになるのではありません。肉を食べ過ぎたり、アルコールを過剰摂取したりと度が過ぎることが良くないのです。

以前のアメリカは、胃がん患者が多かったのですが、肉の大量摂取が原因で1920年頃から大腸がんが増加しました。日本も食の欧米化によって、肉食を好む人が多くなったことで大腸がん患者が右肩上がりで増加しているのが現状です。 朝昼晩と肉やアルコールを摂取している人や、既に肥満の人は、食生活を見直し腸内環境を整えることが、大腸がんのリスク低下に繋がるでしょう。


バランスのとれたキレイな腸内フローラがあれば、がんの予防や改善に役立つ

腸活のコツ~善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7のバランスを目標に腸内細菌を増やす

腸内環境を改善しようと、お腹に良い乳酸菌のような善玉菌を摂取しなければ、と頑張っていらっしゃる方も多いと思います。けれども実は、腸内環境を改善するためには、腸内細菌である善玉菌・悪玉菌・日和見菌のバランスを良くすることこそが重要となってくるのです。キレイな腸内フローラを作るためには、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7の割合が理想的とされています。

悪玉菌はもちろん、善玉菌も増殖しすぎてしまうと腸内に炎症が起こり、がんや潰瘍性大腸炎などといった「自己免疫疾患」を発症する可能性が出てきてしまうのです。サプリメントなどで過剰に善玉菌だけを摂取する、といったことは避け、エサとなる食物繊維などと一緒に、食事で摂取していくことがオススメとされています。

がんの予防・改善にも、腸内細菌の働きが重要な役割を担っている

免疫細胞を作るなど、がんの治療や予防に重要な役割を腸が果たしていくには、その腸内環境が大きく影響します。バランスのとれたキレイな腸内フローラは、がんだけではなく様々な病気から体を守ってくれる作用を発揮しますが、バランスが崩れると逆に様々な病気の要因ともなってしまいます。そのため、腸活をおこなうことは、がんの発症リスクを低くするだけでなく、体の健康のためにも、とても有効とされています。

他の効果にも注目!

澤田先生

監修

澤田彰史(東京警察病院医師、日本抗加齢医学会専門医)

東京警察病院医師、日本抗加齢医学会専門医。同院以外でも美容から形成外科手術・訪問診療に至るまで幅広く医療に従事。
“美肌マスター”として、NHK『ひるまえほっと』、日テレ『世界一受けたい授業』、テレビ朝日『今でしょ講座』などテレビ出演多数。フジテレビ『ネプリーグ』、テレビ朝日『Qさま』ではクイズの回答者として出演。講談社『GLAMOROUS』誌では“グラ男2010”に選出されている。
肌年齢測定装置では“実年齢-11歳”という測定結果を出し、以前は82kgのメタボ状態であった体重も68kgまで減らした経験も持つ。
著書『ほうれい線は消せる!』(PHP研究所)は台湾語にも翻訳され、海外でも好評を得ている。


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